2021年1月6日 更新

【対談企画:(株)マーケティング・リサーチ・サービス(大槻美聡氏)②】定性調査のこれから

株式会社マーケティング・リサーチ・サービスの常務執行役員、大槻美聡さんとの対談動画をMAppsチャンネルで公開しています。(全2回) Part2(後半)では定性調査の未来について内容濃くお話しいただいたので、MRJではその内容をかいつまんでご紹介します!

はじめに

この記事はYouTubeにアップした対談動画との連動記事です。
というよりむしろ動画がメインで、こちらの内容は概要レベルのものとなっております。
内容をしっかり理解するためにも、ぜひ動画と合わせて本文を読んでみてください。

(株)MRS常務執行役員(大槻美聡氏)が語る「定性調査のこれから」【対談後半】

定性調査の未来予想

やはりデジタルやネット上にあるデータとの融合みたいなものは起きてくるでしょう。

定性調査というとインタビュアーがいて話を聞き、解釈するというのが唯一の方法だと思っている方も多いと思いますが、質的な調査という意味ではカメラで撮っている映像を分析するのも定性調査の重要な役目ですし、ネット上に転がっているたくさんの発言を読み解くのも定性調査の役割です。

リアルとオンラインとの間を行ったり来たりすることを繰り返しながら進めるのが定性調査のあり方になるのではないでしょうか

ネット上にある言葉を読み解いたり分析したりするのは色んなツールが発達して精度高く分析できる世の中になっていくと思うので、それを解釈しながら聞かないとわからない本音はこちらで取る、というようなハイブリッドな使い方で質的な調査を運営していくような状態になるんじゃないかと思います。
人間でしか掘れない部分もあると思うので、我々定性リサーチに携わる者の存在意義はそこにあると思います。

オンライン定性調査の今後

新型コロナウイルスが落ち着いてリアルで実施できるようになったとしても、オンラインでの定性調査は残ると思います
最初は急場凌ぎのトライアルだと思いましたが、やってみると良いことがたくさん見つかりました。

今まで質的調査のインタビュアーに北海道や沖縄まで行って頂くと非常にお金がかかっていましたが、オンラインではそれがありません。
また、バックルームに行かなくても良いというのがお客さんにとってもメリットではないかと思います。
熱心なクライアントさんだと十何人一つのセッションに来て頂くこともありましたが、移動のために経費がかからないですし、ご自宅から参加していただけるので家事をしながらでもグループインタビューの成り行きを見ていただくことも可能です。
そういう便利さもみなさんメリットに感じているんじゃないでしょうか。

そして、例えばお料理しているときにどんなナイフやどんなお鍋を使っているのか、というのもオンラインだとすぐに持ってきていただけます。
自宅で実施することで実際に見せてもらえるので確信に迫れます。

オンラインの定性調査に二の足を踏んでいる会社様にはぜひ一度試して欲しいです。

定性調査の成功例

パーソナルインタビューで聞き出し方はとても重要です。

医療品メーカーの方から「いつもどんな調査をやってもこういう結果が出ちゃうんだけど、どうもこの結果には違和感を感じている。消費財ではどういう風に迫るんですか」と相談を受けたことがありました。
というのも、お医者様は社会的地位も高いし、医師としてのミッションも持っておられるので本音がなかなか引出しにくいというのがあったからです。

そこでお医者さんの引出しにくい本音をどう引き出そうかというところで頭を使ったのですが、とあるビデオを作成して見ていただく、という方法を実施しました。
そのビデオは、お医者さんが普段言わなさそう、飲み屋でしか言わないだろうな、というようなシナリオを作成して「実は俺こんなこと考えてるんだ」というお話をする内容です。

居酒屋のような雰囲気で語っている自分と同じような立場の医師の話を見たお医者様は、「あ、みんなそう思ってたんですね」とおっしゃいました。

このことから「医師としてどう考えてますか」という正攻法の攻め方をしても本音は引き出せなかったんだな、ということがよくわかり、聞き出し方はすごく大事なのだと改めて実感しました。

人間としての正しさというのをみなさん感じて生きているので、社会的な規範から外れた発言はなかなかしにくいのですが、社会的規範から外れた発言をいかに汲み取ってあげるかみたいなのがこういう聞き出し方の技術なんじゃないかと思います。

投影法とかいうけど、ただ単に何かに例える、とか喋りやすくしてあげるだけじゃなくて、「ここで何を言っても罰せられません」という引き出す人との信頼感を作っていくというのが非常に重要なんだと感じました。
定性調査と定量調査はどちらを先に実施しても構いませんが、やはり定性調査は一人の人間を深く掘っていくところでしか上手く定量調査に結びつかないと思います。
なのでその視点だけは外さないようすると、自ずと深掘りをしていくための聞き方というのがテクニックとして身についていくのではないでしょうか。

ただやっぱり、定量で最後検証されるというのが定性調査の学びだと思うので、そこに定性調査の学びが活かされないと定量調査もいけない、といったところで行ったり来たりなんじゃないかな、と思います。
実際の対談動画はこちらです。
大槻さんの実体験や具体的な考え方等より詳しくお話いただいているので、ぜひ記事と併せて御覧ください。

https://youtu.be/N19PSP5hvqk
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この記事のキュレーター

Sayuri Sayuri