2020年12月7日 更新

マーケティングリサーチとは?様々な手法から実施手順まで解説

マーケティングリサーチとは何か、どんな種類があるのか、また実施する上での流れとよくある注意点は、という点について初めての方向けに分かりやすく解説しています。この記事でマーケティングリサーチに関する疑問を解決します。

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マーケティングリサーチとは

マーケティングリサーチとは、市場の情報を収集、分析し、意思決定を行う上での支援をする過程のことを指します。このように言うと難しく聞こえますが、一言で言ってしまえばマーケティングリサーチとは「消費者の声を聞くこと」に他なりません。

例えばあなたがお菓子メーカーに勤務して新商品を企画している際、消費者の声を聞かずに新商品を作ってしまうことには非常にリスクがあります。きっと消費者に対して、どのようなお菓子が欲しいか、もっと具体的にはどのような味の好みか、お菓子にいくらまでお金を支払えるか、お菓子を選ぶ時のポイントは何か、など多くのことを聞きながら商品を作るのではないでしょうか。これは判断ができないからです。消費者の立場からはどのようなお菓子が選ばれるのかが分からないため、どんなお菓子を作るべきなのか判断が出来ないわけです。だから、どのような味にするか、価格帯は、パッケージデザインは、という多くの意思決定を行う際、マーケティングリサーチを行うのです。

つまり企業にとって意思決定のために消費者の声を聞くことは必要不可欠であり、その行為をマーケティングリサーチと呼びます。

マーケティングリサーチの分類

マーケティングリサーチを理解するに当たり、まずはその分類を知りましょう。マーケティングリサーチにはパネル調査、アドホック調査の2つの分類があります。

パネル調査

パネル調査とは調査の対象者を固定し、一定期間内において繰り返し調査を行う手法のことです。固定された調査の対象者をパネルということからパネル調査と呼ばれています。
イメージのつきやすい例としては小売店に対するパネル調査が挙げられます。
調査対象の小売店を固定し、来客数や販売データを継続的に収集します。例えば商品の流通を担う事業者であればそのパネルデータを見ながらどの店舗に各商品を卸すか、などの判断を行うことが出来ます。

パネル調査の最大の強みとして、データを継続的に蓄積しその推移を比較できる点が挙げられるかと思います。同じ対象者、同じ調査内容で得たデータを蓄積するため、容易に比較を行うことが出来ます。また調査が固定されているというのはオペレーションの観点からしても非常に効率的です。

一方で、徐々に調査対象者が脱落していく中で最終的に調査対象者が減ってしまう、などのデメリットもあります。減少分を加味して当初から多めの調査対象者を確保するなどの対応が求められますが、それを考えても余りあるメリットのある調査種別です。

アドホック調査

上述のパネル調査に対し、1回限りで完結する調査のことをアドホック調査と言います。アドホック調査は都度都度その調査内容を企画し、調査を実行し、結果を集計するという手順を踏みます。当然、継続的に実施するパネル調査に比較して一回当たりの手間は増えますが、一般的にはピンポイントで知りたいことが発生した際に行うのがアドホック調査であるため、それに対しての回答を供給してくれるという意味では強力なツールとなります。

パネル調査、アドホック調査とはどちらがベターかという話ではなくあくまで継続的に行うか単発で行うかという時期の問題なので、うまく組み合わせながらマーケティングリサーチを行うことが求められます。

定量調査と定性調査

前述のパネル調査、アドホック調査という違いとは別に、マーケティングリサーチには定量調査、定性調査という分類があります。定量調査とは「数値」として結果が得られ分析を行うもの、定性調査とは数値情報ではなく「言葉」として結果が得られるものです。以下ではその違いについてもう少し具体的に解説を行います。

定量調査

定量調査とは前述の通り、「数値」として結果が得られる調査種別のことです。例えばある商品を知っているかを100人にアンケートし、70人が知っていると回答したとします。この際、「70%が商品を認知している」という数値(認知率70%)を明確に得ることが出来ます。
 
アンケートでなくとも同様です。例えば街中で商品と商品Bのどちらが好きですか、という質問を20人に行い、15人が商品Aと回答したとします。この際も同様に、「75%が商品Aを好んでいる」という数値を明確に得ることが出来ます。皆さんも経験があるかもしれませんが、街中でアンケートを取っている人がいますよね。あれも立派な定量調査です。(もちろん詐欺等の可能性もあるので気を付けて下さい。)

定量調査の良い点は共通認識を持ちやすい点です。前述の「認知率75%」という数値は誰が解釈しても認知率75%です。言葉を解釈する定性調査と違い、明確なデータが得られる点は定量調査の強みと言えます。

なお、定量調査の手法としてはインターネットリサーチ(アンケート)や会場調査、または街中で声をかけて行う街頭調査、商品を郵送してその使用感などを聞くホームユーステスト(HUT)などが該当します。

定性調査

一方、定性調査ではその調査結果として「数値」ではなく「言葉」が得られます手法としては、一対一のインタビューであるデプスインタビューや、5~6人のグループで行うインタビュー形式のフォーカスグループインタビュー(FGI)、対象者を観察して示唆を得る行動観察(エスノグラフィ)などが該当します。いずれの手法にも共通することとして、インタビューでの受け答えや行動観察における態度など、得られる調査結果が数値化できないものであるため、解釈が人によって異なるという点があります。

定量調査との違いとして、潜在的な部分であったり、深層的な意識だったりに近づくことが出来るという点が挙げられます。例えば商品Aを購入した理由を知りたいとします。アンケートでは大量サンプルを集められるので「〇〇名が理由1、〇〇名が理由2・・・」といった要領で全体感を知ることが出来ます。一方で定性調査ではそもそもの調査対象者の数が少なく、集められるサンプル数が少ないので全体感の把握には不向きですが、購入意図の深い部分を知ることが出来ます。

よりイメージしやすいようにとあるチョコレート菓子を購入した理由をインタビューで探るとします。「なぜこのお菓子を購入しましたか」と聞くと最初は「普段から買っているから」、「目立つ位置にあったから」というような一般的な回答が出ますが、対話を繰り返す中で徐々に深層心理として本人も把握していない購入意図に近づいていくことがあります。このように「深さ」を得られることが定性調査の強みです。

マーケティングリサーチを行う上での流れ

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次に実際にマーケティングリサーチを行うに当たっての流れを解説していきます。これからマーケティングリサーチを行おうとしている方は以下の流れに沿って行ってみて下さい。既にマーケティングリサーチを行っている方も、改めてその業務フローを振り返ってみて頂ければ幸いです。

企画

まず、調査を行う上での目的、また予算感やスケジュールなどの洗い出しを行います。細部の設計を行う前に全体感の企画を行います。その際、調査目的、調査対象、調査手法の3点を明確化し、関係者で共有してください。調査対象や調査手法は調査目的に応じて決まるため、まずは調査目的、つまり何のために調査を行うのかを明確に決めて下さい。よくあるのが、調査目的の設定が甘いというミスです。目的がぶれていると後々の実査が思いついたものを詰め込んだクオリティの低いものとなってしまいます。この調査目的の設定が調査自体の成功の可否を握っています。きっちりと明確な目的を設定するようにして下さい。

設計

ここから具体的な調査項目を設定していきます。例えばネットリサーチであれば設問文や選択肢、また全体の設問順を考えるのがこのフェーズです。この段階で、前段の調査目的がぼやけていたら設計までがあやふやになってしまいます。調査目的を見失うと、次から次へと聞きたいことを盛り込んだ全体感のない設計が出来上がります。本当に知りたいことは何なのか、から設計の取捨選択をするようにして下さい。

実査

設計が完成したらいよいよ実査のフェーズに入ります。インタビューなど定性調査の場合は特に、入念な事前の準備が大事となります。事前にシミュレーションをした上で実査を行うようにしましょう。

分析

実査が終わったら得られたデータを分析します。今まで行ってきた企画、実査、分析は全てこのフェーズのためにあります。マーケティングリサーチの結果として得られたデータを分析し、具体的なアクションに繋げるようにしましょう。

マーケティングリサーチのまとめ

さて、本記事ではマーケティングリサーチの概要からその種別、また実施手順まで解説してきました。あくまで重要なことは「マーケティングリサーチとは手段である」ということです。実現したいビジネスのゴールに向かう上でマーケティングリサーチはとても強いツールとなります。出来ることと出来ないことは何か、また適切な手法は何なのかというところから、実になるマーケティングリサーチを行って頂ければ幸いです!
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高橋(MRJ編集長) 高橋(MRJ編集長)