2020年11月20日 更新

大統領選の情勢調査:メタ分析サイト

ネットリサーチCron : リサーチ関連の話題・手法について、業界内外の人が息抜きに読めるような軽いコラムです。

gettyimages (1479)

コロナ禍の影響で郵便投票が増え、開票に時間がかかっていることもあり、日本でもたいへん注目があつまった大統領選の一般投票ですが、全米の得票率はバイデン51%、トランプ47%あたりで落ち着きそうです。

事前の情勢調査ではバイデン優勢が伝えられていて、開票途中では「情勢調査が大きく外れた」というような声が多くありましたが、その後「まあまあ当たっていた」という評価もでてくるようになりました。

州ごとの開票の順序や郵便投票の開票が後になったことなどが、「接戦感」を強くした面もありますが、結果からみると、情勢調査の多くはトランプ支持がやや低めに出た調査結果だったようです。

情勢調査結果を見るのに便利なFiveThirtyEightというウェブサイトがあります。予測学者?として有名なネイト・シルバーが運営しているサイトで、たくさんの情勢調査結果を一覧することができます。

シルバーはメジャーリーグの選手の将来成績の予測システムを開発したことで有名になった人で、日本語のwikipediaでも経歴が見られます。https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8D%E3%82%A4%E3%83%88%E3%83%BB%E3%82%B7%E3%83%AB%E3%83%90%E3%83%BC

FiveThirtyEightについては、今年の日本世論調査協会の大会で、トランス・コスモスの萩原さんも紹介されていました。

さて、今回の情勢調査結果については、こちら https://projects.fivethirtyeight.com/polls/ にアクセスして、POLL TYPEをpresident : general election、STATEをNationalにフィルターすると、全米でのバイデン/トランプ支持調査結果が見られます。

面白いのは、調査主体ごとの格付けがあることで、中ほどにある「FILTER BY POLLSTER GRADE」というスライダーバーを操作すると、調査主体の格付けで調査結果を絞り込むことができます。(格付けの低い調査主体の結果は非表示にできる)

格付けは、調査方法や調査主体のブランド(NCPP/AAPORといった世論調査業界団体やROPERのデータアーカイブに所属しているか)などで行われています。

A+という高い格付けになっているのは、いくつかの大学とABCニュース/ワシントン・ポスト、ニューヨーク・タイムズやSelzerという調査会社です。比較的有名な調査会社を見てみると、GallupはB、IpsosはB-の格付けになっています。

FiveThirtyEightでは、これらの収集したたくさんの情勢調査結果をもとにして、メタ分析的に独自の予測を行っていますが、FiveThirtyEight自身の予測にデータを使えないようなクオリティの調査主体には、F(BANNED)という格付けがされています。

電話調査をTELEPHONEではなくLIVEと表現しているのも面白い特徴で、スマホ/携帯が対象に含まれていない調査方法についてLandlineやLIVE*などと分けて、方法論として劣るとしているところも興味深いです。

なお、SAMPLEのところにあるLVとかRVとかAというのは調査の対象者です。(LV=Likely Voters, RV=Registered Voters, A=Adults)

最後にどうでもいい余談です。FiveThirtyEightという名前はアメリカの選挙人の数からきているのですが、日本では「嘘の538」(嘘の数字を言うとき、無意識に5,3,8を言ってしまいやすい)という言葉があるので、何だか皮肉ですね。
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