2020年8月20日 更新

D.I.Y.リサーチ入門(4)

DIYリサーチのツール・サービス、アンケートの設計から分析までのかんたんな入門コラム

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(続き)1 アンケート作成・回答収集ツール

尺度(態度を測る段階設問)

連載の(2)で、設問の形式について次のように書きました。

>Webアンケートの設問の基本的な形式は、次の3つになります。
>・単一回答(SA、ラジオボタン)
>・複数回答(MA、チェックボックス)
>・テキスト記入欄(FA、テキストボックス)
>そして、上記の要素をラッピングする(包む)形式として、表形式(マトリクス)の設問があります。


設問の形式については詳しく説明する回を改めて設けたいのですが、ツールの使い方との絡みで、ここで尺度設問について触れておきたいと思います。

尺度設問は、一般的に「5段階尺度」とか「7段階尺度」といわれる設問の形式です。例えば、こんな設問になります。

Q あなたは、料理をすることが好きですか。この中からお選びください。
1 とても好き
2 まあ好き
3 どちらとも言えない
4 あまり好きではない
5 まったく好きではない

このように尺度設問は、回答者の(例えば「好き」〜「好きではない」という)態度について、人によって差のある連続体(グラデーション)を想定し、そこに目盛りのある物差しをあてて態度を数値化しようとするものです。この例は5段階なので、目盛りが5つあることになります。

たいてい、それぞれの選択肢にスコアを与えて平均や標準偏差を計算します。上記の例なら、ポジティブな態度の方が大きい数値になるようにして、5〜1点とか、+2〜―2点といったスコアを与えることが多いです。

言葉によって段階が表現された選択肢に等間隔のスコアを与えてよいかという点については議論がありますが、基本的にはこう考えてよいと思います。

・選択肢の文言によっては等間隔のスコアが適切でない場合もあるが、たいていの場合分析上問題はない

むしろ、回答者は選択肢の文言だけから尺度設問を認識しているわけではない、ということが重要です。選択肢の位置や幅といった文脈から文言の意味を解釈している、というのが実際に起こっていることになります。

したがって、物理的な物差しがそうであるように、尺度設問も目盛の幅が均等、つまり選択肢の幅や大きさ(選択するためにクリック、タップできる範囲の面積)が揃っているかどうかに気を配る必要があります。とくに選択肢を横に並べるときなどに、利用しているアンケート作成ツールで、幅が均等になるか確かめてください。

また、選択肢を縦に並べても横に並べてもよいのですが(特に良しあしはない、が、スマートフォンでの表示を考えると縦に並べたいことが多いと思います。)、折り返して段組みになるのはよくない、ということは物理的な物差しをイメージしてもらえばわかると思います。また、あまりそうする人は少ないと思いますが、プルダウンメニュー(セレクトボックス)にすることも避けた方が良いです。

アンケートの尺度設問と物理的な物差しとの対応は、感情温度計やステーペル尺度などを参照するとより理解しやすいかもしれません。
感情温度計 (Elisa E. Nebolsine)

感情温度計 (Elisa E. Nebolsine)

もう1点付け加えると、先の例の「どちらとも言えない」のように、ポジティブでもネガティブでもない中立の選択肢がある場合、それが視覚的に中央に見えるように表現されているかも気にした方が良い点になります。特に、7段階や9段階など選択肢が多い場合に注意してください(選択肢の文言の付け方で表現できることもあります)。

さて、複数の尺度設問を表形式(マトリクス)にする、いわゆる多項目尺度の設問を使うこともよくあります。例えば、以下のような設問です。

マトリクス設問は、項目を見比べながら相対的に回答するので、単問で聴取するのとは基本的に別物と考えてください。
多項目尺度

多項目尺度

スマートフォンでの回答が中心になったことで、このマトリクス設問をどう表示するか、というのがアンケート作成ツールに与えられた課題になりました。お使いのツールでこの課題をどう解決しているか、その解決が納得できるものか、PCとスマートフォンのインターフェイスが極端に違っていないか、試してみてください。

ツールによっては、1画面に収まらない表のサイズになった場合には、自動的にページが項目ごとに分割されて表示されるようになっているものもあります。場合によっては、複数の項目を1画面で比較しながら答えてほしいときもあるので、表のサイズが1画面に入るときでも常に分割されてしまうのは、自由度に欠けます。マトリクスの設問について、どの程度ユーザーが自由に形式を決められるか、によって、ツールの評価ができると思います。

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