2021年6月18日 更新

リサーチとことば

ネットリサーチCron : リサーチ関連の話題・手法について、業界内外の人が息抜きに読めるような軽いコラムです。

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SDGsがマーケティングの分野でもビッグワードになっていて、SDGsに関する調査もあちこちで結果が公表されています。

たいていは言葉の認知を中心とした調査で、急速な認知率の上昇というのが調査結果です。これだけマスメディアで大量にとりあげられれば認知率は上がりますね。

言葉や由来の認知ではなく、SDGsの「精神」の理解、共感、実践というようなことを調べるようなアンケートを作ってみたいとも思い、数年前に機会があったのですがそのプロジェクトは流れてしまいました。

SDGsとかDXとか、日本語に直せと言いたくなる気持ちもありますが、一方、「持続可能な開発目標」といわれると、SDGsでいいや、とも思います。

リサーチ業界は、IT業界と並んでこうしたアブリビエーション(略語)や外来の概念をそのまま使うことが多い業界だと思います。

それは、統計とコンピュータが切っても切れないように、リサーチ業界というのはもともとコンピュータ業界だから、かもしれません。

SA, MA, FA, NA, CLT, FGI, DI..「SD法」などは本来のSemantic Differencialの意味を離れて、ある種の両極尺度の質問形式を言うときに使われているような気がします。何か日本語に訳せばいいのですが。

サティスファイシング、レレバンス・・・、リサーチにとって重要なことばなのだが、訳しにくいためそのまま使っている概念はたくさんあります。サティスファイシングは「努力の最小限化」という訳がいまは多いかもしれないですが、何だかそのまま使ってしまいます。

逆に、日本語に訳されていても何だかイメージに合わない言葉もあります。「黙従傾向」という用語があり、これは、「はいーいいえ」や「そう思うーそう思わない」という形式の質問に対して「はい」「そう思う」と答えがちな傾向、ということです。

この傾向が文化によって、またパネルによって違うとデータを比較できなくなってしまうので、リサーチの方法論上は重要な概念です。

なのですが、「黙従傾向」といわれると、なんだか「下を向き、押し黙って重荷の作業に耐えている」ような人をイメージしてしまって、表そうとしている傾向と合わない感じがします。

英語では黙従傾向を「Yes-Tendency」ということがあるのですが、この能天気/無責任な感じの方が、実感に合います。

とすると、英語でいいや、と思ってしまいますね。

統計の勉強をするときも、日本語が難しくて、むしろ英語で用語を覚えたくなる、ことがあります。「多母集団の同時解析」って!「複数グループの分析」でいいですよね。

こう考えると、明治の知識人はどれだけ偉かったのか、と思います。漢文・漢籍の教養の問題でしょうか・・・。

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