2020年6月29日 更新

D.I.Y.リサーチ入門(2)

DIYリサーチのツール・サービス、アンケートの設計から分析までのかんたんな入門コラム

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(続き)1 アンケート作成・回答収集ツール

DIY精神

前回に引き続きアンケート作成・回答集ツールについて検討していきますが、その前にDIYリサーチを行うにあたっての心がけ、「DIY精神」についてふれておきたいと思います。

Wikipediaで「DIY精神」をひくと、次のような記述があります。

「DIYは、専門の業者に依頼すると費用が高額になることを比較的安価に行えること、自分にぴったりのもの(いわば自分だけのための「特注品」)をつくることができること、全てを自分自身でやることにより充実感・達成感を得ることができること等々が利点として挙げられる。」

DIYリサーチのツール評価基準も同様に考えることができます。つまり、

・できるだけ安価に使える(できれば無料で)
・自分の使い途や自分ができる能力(例えば、プログラミング知識)に合っている
・自分でいろいろ工夫できる余地がある(カスタマイズ性)

などが良いDIYリサーチツールと言えます。

無料アカウントの取得

早速適当なDIYリサーチサービスの無料アカウントを取得してみましょう。
たいていのサービスは、指示にしたがって入力していけば簡単にアカウントが取得できるはずです。ここで躓いたり、余計な手間・やり取りが発生するようでは先が思いやられますから、そのサービスは減点です。

アカウントを取得してログインすると、すぐアンケートを作成できるようになっているはずです。試しに適当なアンケートを作成していきましょう。

アンケートの形式(ページネーション)

Webアンケートの形式は、大きく「ページネーション型」「スクロール型」に分けることができます。

ページネーション型は、質問ごとに回答ページが切り替わるタイプです。これに対し、スクロール型は全ての質問が1ページに掲載されており、スクロールして回答していくタイプです。
ページネーション型とスクロール型はそれぞれ良い点・悪い点があるのですが、ツールを評価する上では特に難しいことはありません。

・好きなところで自由に改ページできること

この機能があれば、論理的に2つのタイプいずれもカバーしているので、問題はありません。どこで改ページして、どういう場合は改ページしないか、ということは、良いアンケートインターフェイスにするためのひとつの工夫になります(たとえば、改ページするということは、そこまでの回答によって改ページ後の質問内容を変化させることが容易になる、前の質問の情報・刺激を参照させない、回答者の思考にいったん区切りをつけさせる、等といったアンケート作成者側の意図があります)。

また、ページネーション型の場合、ページを進んだあとで戻れるかどうか(「戻る」ボタンの設置/非設置が可能か)も気にした方がよいです。回答者にブラウザの戻るボタンを使わせることはたいていトラブルを生じます。

サービスによっては、上記のほか「チャット型」のような形式が用意されている場合もあります。「チャット型」は、LINEやショートメッセージ上のやりとりのように対話型のインターフェイスでアンケートを進めていく形式です。

アンケート回答者をSNS上などで募集(リクルート)する場合とか、回答者に少しくだけた(親密な)関係性・態度でアンケートをしたい場合などで、「チャット型」のインターフェイスが有効になると思います。
チャット型のアンケート

チャット型のアンケート

設問の形式

Webアンケートの設問の基本的な形式は、次の3つになります。

・単一回答(SA、ラジオボタン)
・複数回答(MA、チェックボックス)
・テキスト記入欄(FA、テキストボックス)


そして、上記の要素をラッピングする(包む)形式として、表形式(マトリクス)の設問があります。

サービスによってはこれら以外の面白そうな設問形式が用意されていると思いますが、基本的には上記の形式をうまく使えば十分です。JQuery UIにあるような「スライダーバー」などを使う意味があるケースはほとんどありません。

むしろ、上記の設問形式で、さまざまな制御や表現がどのくらい簡単にできるかがツールの良しあしになると思います。

制御には、必須回答(必ず回答しなければいけない、回答しないで進むとアラートが出る)にするかしないか、複数回答であれば回答チェック数の制限、排他的な選択肢(一方にチェックしたら一方はチェックがついてはいけない)の設定、テキスト入力であれば数値や英数字・全角文字だけに入力を限定する、文字数を制限する、他のテキスト入力欄の数値との合計を表示する、などいろいろなものがあります。

ラジオボタンはいったんチェックするとチェックなしに戻せない(別の選択肢をチェックするしかない)ことがありますが、これを回答者が初期のチェックなし状態に戻せるか、など。

表現についても、文字の強調や色付けにはじまり、画像を選択肢や好きな場所に配置できるか、選択肢の並べ方、注釈をつけるなど様々なバリエーションがあります。

とにかく、自分だけのための「特注品」を作りたいというのがDIYで行う1つの目標ですから、簡単に様々な制御や表現ができるほど良いツールといえます。

アンケート作成・回答収集ツールの評価について、DIYリサーチの基本的な考えを記しました。さらに次回に続きます。
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