2020年6月3日 更新

D.I.Y.リサーチ入門(3)

DIYリサーチのツール・サービス、アンケートの設計から分析までのかんたんな入門コラム

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(続き)1 アンケート作成・回答収集ツール

直感的な使いやすさ~コピー&ペースト

引き続きアンケート作成・回答収集ツールの話です。

当たり前ではあるのですが、自分にとって直感的に使いやすいツール(相性)というものがあるので、相性のいいツールを選んだ方がよいです。例えば、macユーザーであれば、アイコンや機能の配置、命名法などについて、mac用ソフト特有の慣れ親しんだパターンがあるはずです。また、あなたがプログラミングに慣れていれば、スクリプトが使えるツールの方を便利に感じると思いますし、そうでなければGUIのインターフェイスが優れているツールを好むと思います。

というわけでユーザビリティには人による好みがある、その上で、1点このユーザビリティは重要だというポイントをあげるとすれば、それはコピー&ペーストのしやすさです。

アンケートを作るときには、いきなりツールに打ち込むのではなく、自分のPC上で質問文、選択肢、質問の並べ方などを全て決めておいて(いわばアンケートの設計図)、その後にツールにコピー&ペーストし、様々な制御などを入れていく方が絶対に良いです。

アンケートを設計するとは、思った以上に色々試行錯誤や考え直しを強いられるもので、その過程でたくさんの追加修正をすることになります。その度にツール上で修正するのは非効率的です。

PC上でのアンケート(設計図)の作成は、テキストエディターでもエクセルでもワードでも何でも構いません。ここで仕上げてからツールにテキストを流し込んで、デザイン、見え方や動作、制御を入れていくというやり方をします。そうでないと、ツール上で後から選択肢や質問文、質問順を直していくのはたいてい面倒でミスしやすくなりますし、その修正によって制御も直さなければいけないときなど、考慮不足が発生しやすくなります。

したがって、ツールに出来上がったテキストを流し込む、つまりコピー&ペーストが便利なツールは非常に望ましいといえます。理想は、出来上がった設計図(調査票案)のテキストを全選択・全コピーして、ツールに1回ペーストすれば、アンケートの骨格が全てできあがる、というものになると思います。

設問のテンプレート

ツールによっては、設問のテンプレート、つまりいろいろな分野の設問のアーカイブが用意されていることがあります。例えば、次のような分野の設問が検索・利用できたりします。

顧客満足度調査
ブランド認知
ブランドポジショニング
製品評価
従業員調査
ウェブサイトのユーザービリティテスト
デモグラフィック属性
・・・


アンケート作成の時に、こうしたテンプレート設問を利用したり参考にできることは非常に便利です。

もちろん、用意されているテンプレート設問が、必ずしもあなたの目的に合った良い設問であるという保証はありません。海外のサービスなどでは、設問のワーディングが翻訳調で文章としておかしい、などということもあるかもしれません。

それでもなお、テンプレート設問が用意されていて参照できることは価値があります。アンケートは多様な回答者とのコミュニケーションなので、自分の頭の中だけで考えてもよい設問はできません。過去実施された設問は、それぞれいろいろな人の考えやテストを経てその形に至っていると考えられるので、参考にするに越したことはありません。過去の設問アーカイブをよく調べた上で、自分の目的に合ったように直すというのがDIY的な設問設計になります。

デザインのカスタマイズ性

あなたが、アンケートの対象者として、あなたの顧客、同僚や従業員、あなたの会社名で管理している何らかの会員組織などを考えている場合、あるいは一般に回答者を募集する場合(例えばSNS上で広く告知するなど)、デザインのカスタマイズ性は重要な考慮事項になります。

ここでいうデザインのカスタマイズ性とは、設問や選択肢の形式、配置ではなく、側(がわ)のこと、つまりヘッダーやフッター、画面の色調などを言っています。

このアンケートが信頼でき、安心して答えて良いものだ、と回答者に思わせることは、回答者の協力率や回答内容に影響します。

そのためには、会社のロゴ、イメージカラー、キャラクターなど、あなたの会社のブランドを利用して回答者とコミュニケーションすることが必要です。アンケートの表紙ページ、ヘッダー、フッター、終了(サンクス)ページなどをブランディング要素として活用しましょう。

PC/モバイルでの回答画面の見え方

インターネット調査の回答者は、パソコン、タブレット、スマートフォンといった異なるデバイスで回答します。ツールでのアンケート画面作成はパソコンで行うと思いますので、特に画面の小さいスマートフォンでの回答フォームがどうなるか、要注意です。

選択肢が回答画面からはみ出していたりする場合、回答者に横スクロールを期待するのは甘いですし、見えないサイズの文字をズームして読んでもらうようなことは回答者の努力に依存しすぎです。現在は、画面を作成するとき、基本的にスマートフォンに最適化した設問の内容・形式を選択すべきだと思います。

スマートフォンでの見え方は、使用しているブラウザの設定でパソコンからでも確認できますが、ツール側のアンケート画面プレビュー機能にデバイス別表示がある場合は便利です。

結局どこまでいっても見え方は回答者の環境依存になります。とはいえ、デバイス/ブラウザバージョンごとの見え方まで実機を用いてチェックするのは現実的に困難ですので、そこはツール提供会社の努力に任せたいです。最低でも、ツールが、どのデバイス、ブラウザのバージョンに対応しているかは確認しておいた方が良いと思います。

提示刺激として画像や動画を見せるなどで、見え方が重要になるときには、回答デバイスの大きさを制限したい場合もあると思います。このような時のために、回答デバイスを制限するような機能があるかも確認しておくと良いです(回答中のデバイスを判別してデータとして取得できれば、該当以外のデバイス回答者は途中終了させられると思います)。

次回は、具体的な設問作成の際のポイントや活用したい機能について紹介します。
スマートフォンでは無理

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